チリが被害を抑えた理由は 建築に厳格な耐震基準 徹底した防災教育実施(産経新聞)

 【バンクーバー=松尾理也】チリの巨大地震による死者は28日も増え続けているものの、1月に中米ハイチで起きた大地震の際のような急激な増加は今のところみられない。緊急対応に追われつつも、チリ国家非常事態庁幹部は「(ハイチのような)想定をはるかに超える死者の増加はないだろう」と予測する。世界有数の地震国として積み重ねてきた対策が効果を発揮しているといえそうだ。

 チリでの災害援助の経験をもつカナダ赤十字幹部は地震発生を受け、カナダメディアに対し「チリの防災対策はかなり進んでいる。緊急支援は必要なものの、被害の規模はハイチ地震よりはかなり小さいだろう」との認識を示した。

 地震の規模を示すマグニチュード(M)は8・8で、ハイチ地震の7・0より格段に大きい。

 だが、ハイチ大地震では、さまざまな社会的な要因が重なって被害が拡大した。防災対策関係者は「地震ではなく、建物が死者を生む」としばしば強調するが、西半球の最貧国とされ、建築の耐震基準もないハイチでは、鉄筋が少なく、極端な場合はレンガを積み上げただけの、十分な強度をもたない建造物が珍しくなかった。

 一部の専門家の間では地震の危険性が指摘されていたものの、ハイチで現実に防災教育が実施されることはほとんどなかった。

 これに対し、環太平洋火山帯に位置する世界有数の地震国で、かつて1960年のチリ地震でM9・5と、世界の観測史上最大の揺れを経験したチリでは、厳格な耐震基準が定められている。防災教育も徹底しており、米紙クリスチャン・サイエンス・モニターは「外出の際にはいちいちガスの元栓を閉めるなど、他の国ではやりすぎと思われるような防災対策がチリでは当たり前」と指摘する。

 加えて、ハイチ大地震の震源地は、200万人以上が密集する首都ポルトープランスからわずか約15キロだったが、チリでの震源地は首都サンティアゴから300キロ以上離れていた。

 政府の能力の差も鮮明だ。ハイチでは地震直後、大統領や首相が首都の街頭で避難民に交じって途方に暮れている様子が映し出され、世界の驚きをさそった。一方、任期満了を目前に控えたチリのバチェレ大統領は、非常事態を宣言しつつも「社会は機能している。チリがこの惨事を最終的に乗り越えることは疑いない」と国民に冷静な対応を呼びかけている。

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